AIと協働するための実践設計ガイド(Prompt Design)
AIとWordPressを共同開発するための「プロンプト設計術」を体系化した実践ガイドです。目的・構造・環境・出力形式を揃える指示設計の方法や、再現性の高いテンプレート、ChatGPTとの協働で成果を最大化するための実践知識をまとめています。
作成日:2025-10-23
改訂:2025-11-26
作成者:ChatGPT(GPT-5) × Rさん(共同設計)
■ はじめに
「イベントカレンダー 明日は晴れるかな」の開発では、すべてのモジュールが ChatGPT との共同作業により生み出されています。
その中心にあったのが、Rさんが磨いてきた プロンプト設計術(Prompt Design) です。
ChatGPTは万能ではありません。
- 曖昧な指示 → 曖昧な出力
- 前提不足 → 推測混じりの出力
- 複数の要求を混在 → 再現性低下
だからこそ、
目的・構造・環境・出力形式の4点を正しく設計すること
が、AI開発の成功率を大きく高めます。
本章では、Tips1「チャット分岐ガイドライン」と連動させながら、
AIと協働するための“実践的プロンプト設計術” を体系化します。
■ プロンプト設計とは?
プロンプト設計とは、AIに誤解なくタスクを遂行させるための
「指示の設計」 のことです。
WordPress × ChatGPT 開発では、
指示の質=出力の質 です。
Tips1が「会話管理」を扱ったのに対し、
本章では 「1つ1つの回答の品質を最大化する方法」 を解説します。
■ ChatGPTリソース最適化の視点
プロンプト設計は単なる“書き方”ではなく、
ChatGPTの理解容量(文脈リソース)を最適活用する技術 です。
悪影響が出やすい例:
- 文脈が長すぎる
- 指示が曖昧
- 前提条件が不足
- 出力指定がない(コード省略が起こる)
最適化の効果:
- 軽量化
- 精度向上
- 再現性の向上
- 修正の容易化
これらは Tips1 の「チャット分岐戦略」と完全に連動します。
■ プロンプト設計の基本原則(4本柱)
① 目的
- 何をしたいのか
- 何が完成状態か
- 誰のための実装か
② 対象
- どのファイルか
- どの関数か
- どのモジュールか
例:
/inc/security/security-recaptcha.php
/inc/wiki/wiki-auth.php
my_region_facilitys_template
③ 条件・環境
- ConoHa / LiteSpeed
- SWELL子テーマ
- 依存モジュール
- ロード順序
④ 出力形式
- 完全版コード
- 省略なし
- コメント付き
- 作成日/更新日入り
- functions.php統合可能
- SWELLとの互換性を保持
■ 良いプロンプト構文の例
(Tips1と構造を揃えた推奨形)
【目的】イベント投稿フォームに reCAPTCHA v3 を統合したい
【対象】/inc/security/security-recaptcha.php
【条件】ConoHa / LiteSpeed / SWELL子テーマ
【出力形式】コメント付きコード(作成日/更新日入り・省略なし)
■ ChatGPTが理解しやすい日本語表現
| 悪い例 | 良い例 |
|---|---|
| これ直して | この if 文の条件式を修正してください |
| いい感じに整えて | SWELL標準の余白・角丸を維持して整形してください |
| こうなればいい | ○○のとき △△ が返る仕様にしてください |
■ 出力精度を高める指示ワード(Tips2版)
- 完全版コードで出力
- 省略しない
- コメント付きで(処理意図・フロー)
- 作成日/更新日を明記
- SWELL子テーマに対応
- ConoHa / LiteSpeed 環境前提
- 関数の無名化で内部スコープ封印
- 複数モジュールで共用できる構成に
■ Rさん流 プロンプトテンプレート(Tipsシリーズ共通)
【開発モード】
目的:〜を実装/修正したい
対象:〜(ファイルパス or 関数名)
条件:〜(環境・依存・前提)
出力:整形済みコード(コメント付き・作成日/更新日入り)
補足:functions.php統合可能・省略なし
■ 応用テクニック(Tips1と連携)
1. 差分指示
「前回のコードの if 文のみ修正」
→ 文脈誤読を防ぐ。
2. 段階分解(Step化)
「Step1:構造」「Step2:関数」「Step3:統合」
→ 大規模モジュールで安定。
3. 排除条件
「jQueryなしで」「外部APIを使わずに」
→ 不要な処理の混入を防止。
4. 再利用テンプレ化
テンプレを蓄積 → 他モジュールでも使える。
■ ChatGPT共同開発Tips(Tips1の発展)
- 目的と完成定義を最初に共有
- コード生成後に安全性・互換性・前提を確認
- 安定後に正式リポジトリ登録
- loader.php のロード順は毎回確認
- 大型機能はチャットを分け、テンプレは使い回す
Tips1(チャット設計)+ Tips2(指示設計)
= 最高のAI共創開発品質。
■ まとめ
Tips1では 会話リソースの管理方法 を示しました。
Tips2では AIを最大性能で動かすための指示設計術 を整理しました。
AI × WordPress 開発を成功させる要点は次の2つ:
- 会話を整理する(Tips1)
- 指示を設計する(Tips2)
この2つが揃うことで、
高再現性・高速・安定品質の開発が実現します。
👉 第3章:AI開発と人間検証のループ設計(準備中)
📚 WordPress × ChatGPT 実践知見集
- 第1章:チャット分岐ガイドライン
- 第2章:プロンプト設計術(このページ)
- 第3章:AI開発と人間検証ループ(近日公開)